報告者氏名:蔦木 新
学会名:第67回日本体力医学会
会場:岐阜都ホテル・長良川国際会議場
日程:2012/9/14~9/16
発表日:2012/9/14
発表題目:ラット腓腹筋における低周波電気刺激下での等尺性収縮は筋肥大を誘発する
発表形式:ポスター発表
発表者:蔦木 新, 小笠原 理紀, 小林 幸次, 鴻﨑 香里奈, 中里 浩一
学会の詳細
今回参加した学会は第67回日本体力医学会岐阜大会である.日時は2012年9月14日~16日にかけて行われた.本学会大会は,日本で行われる生理学・運動科学・体力科学で最も権威のある大会であり,年1回行われる学会大会には数多くの研究内容が集結され,数多くの分野における専門家が集う.そのため,本学会で発表する意義は様々な意見交換や情報交換をできるため体育科学の発展のためには非常に有意義であると考えられる.
概要
発表題目:ラット腓腹筋における低周波電気刺激下での等尺性収縮は筋肥大を誘発する
発表内容の概要
骨格筋は様々な刺激を受けて形態的な適応を引き起こす.中でも機械的刺激を受けて反応する形態に筋肥大があり,筋肥大の効果として筋力増加やストレングスの上昇など,身体活動における有益な適応を起こすと考えられる.我々は独自のラットトレーニングマシンを有しており,間欠的高周波(100Hz)をラット骨格筋に負荷した場合,筋肥大を確認しているものの,間欠的低周波(10Hz)をラット骨格筋に負荷した報告は今までなされていなかった.
一般的に高周波電気刺激でのトレーニングでは力発揮が必然的に大きくなり,American College of Sports Medicineの定める筋肥大を目的としたトレーニング(1 repetition max:RM 70%以上)の条件を満たすことになると考えられるが,低周波電気刺激を施した場合ラットの力発揮は高周波電気刺激負荷時の力発揮のおおよそ2分の1程度あったものの,同等の筋肥大を引き起こした.
本発表ではその筋肥大のメカニズムに関わる2つの主要分子経路(mammalian target of rapamycin:mTOR 経路およびmitogen activated kinase 経路:MAPK経路)の経時変化による反応を調査・検討した.
質疑応答
ポスター発表を行った際,多数の先生方が自身の発表に関心を示していただき,様々な質問が寄せられた.
主な質問は以下のとおりである.
Q:低周波電気刺激による筋肥大効果とあったが,この結果はどのように臨床応用できると考えられるか?
A:一般的に高周波による電気刺激は筋に対しての刺激としては強いものであると考えられるため,強い痛みを伴うと考えられるが低周波電気刺激では力発揮が弱いために収縮自体が強くなく電気刺激による痛みを軽減することができると考えられる.また,筋原性疾患により筋に対する負荷をあまりかけることのできないようなヒトに対しても筋肥大の有益な効果をもたらすことができると考えられ,健常者から病的状態の幅広い方々に応用できると考えられる.
Q:力発揮が少ないにも関わらず7%程度の肥大をもたらした理由はなにか?
A:トレーニングによる筋肥大にはサイズの原理によりTypeⅡ線維の動員が必要であると考えられている.一方で電気刺激ではTypeⅡ線維が優先的に動員されるため,力発揮の少ない負荷でも高強度の電気刺激と同等の筋肥大をもたらしたのではないかと考えられている.
感想
本学会における発表において,多数の質疑応答ができ,自身の研究内容について再考させられる部分がいくつもあり非常に有益な学会発表になった.
また,学会大会内で聞いた発表にはこれからの体力科学を発展させられるような内容もいくつもあり,自身の見識を深めるために有意義な時間であったと感じられた.
研究内容については未だ最高の余地も多く,これからの研究を見つめなおし研究成果を上げていきたいと思うような学会大会であった.
謝辞
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